19.電気と水がない ということ

 夏祭りをやっていたところは、名取市閖上(ゆりあげ)の漁港だったが、ここはすぐ近くにガレキの山があり、とても花火ができるところではなかった。

 警察と消防は、ガレキの近くで花火をして、ガレキに引火することを恐れていて、神経質になっていた。閖上はあちこちにガレキの山があった。特に沿岸部には。

 しかし、どうしても閖上の地でやりたいという思いが強く、結局、閖上中学校でやることになった。閖上中学校は、閖上で海から2キロ 離れているが、3階建ての建物が海岸から最も近くの3階建ての避難場所であり、実に沢山の人がこの場所を目指して逃げて、そして、中学校の敷地内で亡く なっている。

 この場所も又、ひどく被災していて、電気も水も何もない。
電気と水道がないところで、イベントを開催するということは予想以上に困難だった。
トイレ一つとっても、例年の夏祭りだったら、2万人の来場者が来ても、2000軒の家にはトイレがあり、その家族、親戚、友人はその家のトイレも利用でき る。又公衆トイレ、公民館などのトイレもあった。それが震災後、家もなければ、公衆トイレもない状態で、仮設トイレを一体いくつ用意すればいいのか?更に は仮設トイレで使用する水をどこから持ってくるのか?

 電気がないのはもっと深刻。街灯の電気もないから、夜になると、本当に真っ暗になる。
現場を夜、実行委員メンバーと一緒に確認に行った時、“私ここで待っている”と言って車で待っている間の長かったこと、長かったこと。これほど真っ暗という世界は、人生始めてかもしれない。

 どんなに田舎にいっても、街灯の電気があるから真っ暗にはならない。
明かりが何もない、という世界は本当にすごい。
当日、灯篭流しも、花火大会も夜に行う。来場者の導線には全て明かりが必要となる。
上述の仮設トイレにだって明かりが必要。

 タイミングが悪いことに、この頃節電が叫ばれ、関東地区では夏には計画停電実施かも?というので、発電機の需要が急上昇。企業、病院など発電機確保に必死だった。
というわけで、レンタル会社に聞いても、発電機が不足している。
これは、大変。全ての電気を発電機で賄う必要があるから。

20. 資金不足!一人100万負担?

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